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太田楽器の想い出 (2017/11/20/03:18)
もうずいぶん昔(てほどでもないかな?いや、でもまだ二十世紀だったころ)新青梅街道沼袋交差点から少し哲学堂方面に行ったあたりにあった小さな店。
ぱっと見には演歌だののレコードやカセットテープなんかを置いてる昔の街のレコード屋さんだけど、その奥には知る人ぞ知る名ギター職人の太田さんの小さな工房があった。
雑誌だのの取材なんかはほとんど受けなかったらしく、90年代にアコースティックギター関連の雑誌なんかがさかんに出て、いろんなビルダーやらリペアマンやらが世に名を知られるようになっても一般的にはほとんど知られることはなかった人だ。
僕はそのころから大和町だの野方だの沼袋だのに住んでて(今も新井薬師たが)近かったんで、弦を買いにちょくちょく寄ったんだけど、主に奥さんが店に出てるから最初は太田さんにはほとんど会わなかったけど、何回か行っているうちになんとなく顔を合わせて、そのうちちょこちょことギターの話しなんかをするようになったんだと思う。
いつも奥さんに呼ばれてランニング姿で出て来たりして、まったく普通の昭和の職人のおじさんて感じの人だった。
そうそう、その弦は太田楽器オリジナルみたいなセット(カワセの弦と同じだなんて説もあったな)なんだけど、太田楽器ではスチール弦のことをフォーク弦と呼んでいて、しかし夫婦して「ホーク弦」と言ってたし、それ、発音だけかと思ってたらなんかのメモにも同じく「ホーク弦」と書いてあったし、一度なんかコンタクトマイクの相談をして、オススメは?と聞いたら「ドイツのやつで安くていいのがありますよ。サンダーっていうの」とかおっしゃって、それ聞いたことがないけど太田さんのオススメならそれにしようかなとお願いしたら出てきたのがシャドーだったり、、と、横文字はまったく怪しいまさに昭和のおじさんでだったわけで。
商売っけもない人で、当時使っていたスクエアショルダーのJ-50のバックがバッサリ割れたのをお願いしたことがあるんだけど(12月のはじめだったので)年内は忙しいから年明けになっちゃうかも、、とかいいつつ「あー、でも使うよねぇ?ライブとかあるんでしょう?」とかえらく気にして、いやいや、いいですよ。そんなに急ぎませんからできたら電話下さいと言って置いて来たんだけど、一週間だか二週間だかしたら「できました」と。
で、たしか三万くらいかかりそうな感じ(某イシバシあたりに問い合わせたらもっと高い感じの返答だった)な話しだったんだけど、取りに行くのに支払わなきゃだから聞いたら「ごめんね、二万もらえる?」みたいな。
おまけにすり減ってたフレットの擦り合わせだのフィンガーボードのローポジションの一部けっこうヘコんだところがあったのをきれいに埋めといてくれたりして「いや、これはオマケだからいいの。いいギターだから気になっちゃってね。いいのいいの」なんて(汗)
で、太田さんはリペアだけじゃなくギター作るんでしょう?と聞いたら「うんうん、作りますよ。こないだも若い女の子の歌い手さんに小振りなホークギター作ったのよ」って言うから作ってもらうとやっぱりお値段も高くなりますよねえ?って言ったら「そおねぇ、、やっぱり作るとそれなりに高くなっちゃうのよねぇ、、やっぱり、、10万は越えちゃうのよねぇ、、」とかむっちゃー安いこと言ってたりもして。いや、こっちは安くても30くらいのこと言うと思ってたのに(大汗)
そうそう、いつも弦を買いに行くと奥さんが「あー、ごめん、手が回らなくて袋につめてないのよ。今つめるから待ってられる?6本まとめてでもいい?」なんてことがしょっちゅうで、いいですよ、まとめてで。待ってますよ。と言って待ってると、1~3弦は「このへんはよく切るでしょう?」とか言って二本ずつ入れてくれたりね。
あ、一度ほんの短い間だったけど、大久保だか新大久保だか(どっちでも同じようなもんだが)の駅近く、大久保通り沿いのビルの二階に少し広い店を出したときがあったんだよな。
ネオンサインなんかつけちゃって、けっこう立派な店だったんだけど、あっという間に閉めちゃったからどうしたの?と聞いたら「いやー、忙しくなっちゃってね。だめだめ」とか、なんかよくんかんないこと言ってたなー(笑)あー、でもそのころかな?(もうこのへんあやふやなんだけと)クロサワからマーチンのリペアを引き受けることになって、たいぶ忙しくなっちゃったんだと嬉しそうに言ってたのを覚えてる。
そうそう、たしかあのころ(ちょっと後かな?)めずらしくなんかのギター誌に太田さんのインタビュー(?)記事が出てて、わー、太田さん出てるじゃーん!なんて思ったんだよなー。

志茂でギターをあれこれいじって、弦を張り替えたりしながら弦のことをぼんやり考えてたらそんなことをあれこれ思い出して、あー太田楽器の弦が懐かしいなー、、とか、ふっと。
そう、あのころは金がなくて(いや、今もあるわけじゃないけど)あー、いつか太田さんにギター作ってもらえたらなぁ、、なんて思っていたんだよな、、と。

今も近くの新青梅街道を走るとき、今はもうない太田楽器をときどき無意識に目が探す。

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